2025年にFDA承認を受けた世界初の非オピオイド系術後鎮痛薬Journavx(スゼトリジン)が登場した。
従来のオピオイドは中枢神経のμ受容体に作用し依存や呼吸抑制を引き起こすが、Journavxは末梢の痛覚ニューロンにあるNaV1.8イオンチャネルを選択的に遮断し脳には影響を与えず痛み信号を遮断する。
TRPV1やNaV1.7、神経成長因子阻害薬などの標的は副作用や効果不足で臨床開発に失敗してきた中、Vertex社は数百万の化合物をスクリーニングしNaV1.8阻害薬VX-548(後のスゼトリジン)を発見・最適化した。
臨床試験で急性疼痛に対する有効性と最小限の副作用が確認され、FDAのFast TrackとBreakthrough Therapy指定、6ヶ月の優先審査を経て承認された。
現時点では急性疼痛治療に限定され、慢性痛への適応や保険適用は未定だが、パラセタモールやNSAIDの次の選択肢として期待される。
VertexはさらにNaV1.8阻害薬の改良やNaV1.7阻害薬との併用、糖尿病性末梢神経障害など慢性痛治療への臨床試験も進めている。
開発には27年、数十億ドル、2400人以上の患者データ、数百万の化合物スクリーニングなど膨大な時間とリソースが投入された。
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