パーソナルケア製品が人体酸化場を撹乱

皮膚に塗布されたボディローションは、主要なOH前駆体である6-メチル-5-ヘプテン-2-オンの生成を阻害し、フェノキシエタノールの放出によりOH反応性を高めることで、OH濃度を最大約140％低下させる。

フレグランスはテレペンによるOH生成ポテンシャルをもつものの、主成分のエタノールが強力なOHシンクとして働き、短時間でOHを大幅に消費する。

純リナロールのみを放出するフレグランス条件では、OH反応性は増加するものの、オゾノリシスでOHも生成されるため、OH濃度は10％未満しか減少しない。

モデル計算と実験により、ローション塗布後は皮膚表面の油脂成分が希薄化し、オゾン–皮膚反応が抑制されることが示された。

計算流体力学シミュレーションでは、人体周囲の熱気流に乗ってPCP成分が放出され、呼吸域におけるOH反応性とOH濃度に大きな空間差を生じさせる。

パーソナルケア製品の着用により、屋内での人体生成OHフィールドが著しく抑制され、室内化学や健康影響に重要な意味をもつ。