関税負担で苦戦する米国中小製造業者

Pluflは中国製「人間用ドッグベッド」を米国製に切り替えようとしたが、製造コストが中国の100ドルから米国内製は最低250ドルに跳ね上がり、小売業者に500ドル未満での販売は受け入れられなかったため、中国生産継続を選びコスト吸収策を講じた。

小売業者は対中関税による価格上乗せにほとんど応じず、Pluflは輸送効率化や利幅圧縮で299ドルの販売価格を維持している。

Moment創業者のChottaniはアルミ缶に20%の関税が課され、1本あたり4セントのコスト増を小売のAlbertsonsに転嫁できず、投資家から資金調達しコスト削減を模索している。

ベビーカー大手Bugabooは中国・厦門工場で生産しているが、米国内への生産移管には高度な設備と熟練人材が必要で数年を要するため、一部コストを価格（50～300ドル）に転嫁しつつ一部は吸収している。

文房具メーカーSimplifiedは中国で1個12ドルの手帳を米国生産すると38ドルになることから関税分を転嫁できず、トランプ政権を訴訟しつつ中国生産継続でコストを負担し他分野の投資を削減している。

米国の多数の中小製造業者は中国からの輸入品関税または国内生産コストのいずれか高い方を負担せざるを得ず、小売価格を据え置くために利益圧縮を余儀なくされている。

ホワイトハウスは設備投資の即時償却などの政策で米国製造業の成長を支援すると表明している。