コンピュータの楽しさが失われた理由

ビットコインは手軽な送金手段として期待されたが、投機目的の参加者によって“Whatever”（中身のない価値）文化に取り込まれた。

ウェブは個人サイトの多様性から巨大プラットフォーム中心へと集中化し、広告表示最大化のためにユーザーの不満を犠牲にした。

AIやLLMは信頼性の低い“何でもあり”出力を提供し、誤情報や無意味なノイズを大量に生み出している。

コード補完や自動生成サービスは管理者化を促進し、プログラマー自身の思考や学習機会を奪っている。

LLMは架空のAPIタグや誤った情報を自信満々に生成し、実用性より“何かが出る”ことが重視されている。

AIアート生成はスキル習得の努力を軽視し、創作者固有の個性を消し去る“凡庸化”を助長している。

ツールの発展と称されるLLMは、電卓や丸鋸とは異なり、全領域で“Whatever”を出力する新たな問題を生んでいる。

著者は“何でもあり”マシンに対抗し、実際に物事を作り出しウェブ上に公開することの重要性を訴えている。